“留学生による日本語作文コンクール”を読んで

このたび、ロータリーのメンバーでいつも懇意にしていただいている方から、表題の冊子をいただきました。

目を通して驚いたのですが、このコンクールはすでに16年も続いており、
これまでに2,000名以上の留学生を応援していることに感嘆した次第です。
我が国へ留学している参加国は67カ国に及び、自国の為、懸命に学んでいる姿がふつふつと見えるようです。

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この作文集は、日本語習得年限によるハンディキャップがないように配慮されており、初級・中級・上級に分けて選ばれた方たちの文章が掲載されています。
また驚いたことに、活字になっているものの原稿は全て日本語で、漢字・かなによる作文であるというのです。

留学生にとって異国の地で生活することの不安、習慣の違いによるとまどい、また国や家族への思いが切々とつづられています。母に対する敬愛の念や愛国の情も随所に見られ感動させられました。

それにしても上級にランクされ最優秀賞を獲得された方の文章を見ると、日本人と変わらぬ位に
表現がしっかりしていて、文章も漢字や言葉遣いも間違いなく、またまた感心させられました。
母国で日本語を学んで来てはいるものの、さすがに優秀な若者がチャレンジしているのだと認識させられた次第です。

また少しでも日本の文化に慣れ親しもうとする努力もひしひしと伝わって来、自国との違いをシビアに観察しており、新しい知識や文化を吸収しようとする真剣さを実感しました。
彼等の語学力や教養のレベルの高さに心から感服するばかりです。

このロータリークラブの会員の皆さんのたゆまぬ努力に敬意を表すると共に、
これからもさらに尽力されることを願わずにはいられません。
日本と世界の架け橋となるべく多くの方が頑張っておられるその一端を垣間見た思いです。

それにつけても我々国民がもっと真摯に国を見つめ、家族を見つめ、友を知り、
この国を素晴らしいものにするべく、心身を鍛えねばと思わずにはいられません。

その意味でも本当にすばらしい作品集を頂き、心新たにする機会を得られたことに感謝。

T.Ono