幽玄の世界

生國魂神社社前で開催された「大阪薪能」(8/11・12開催)を見てきました。
天文15年(1546年)、神前での演能に因み、昭和32年より開催されており、今年で54回目の開催です。

開催期間2日間で6番の能と仕舞・狂言が演じられます。
8月11日の演目は忠信(観世流)、井筒(観世流)、葵上(観世流
※午後5時半・・・まだ少し明るさの残る頃から幽玄の世界への始まりです。能:忠信(ただのぶ)
源義経は頼朝の追手を逃れ吉野山へ籠りましたが、衆徒が寝返ったため吉野山から脱出します。
忠信は一人留まって衆徒の追跡を防ぐ役目を命ぜられ衆徒を相手に奮闘します。

狂言:酢薑(すはじかみ)
酢を売る者と薑を売る者が都へ商いにいく途中で出会い、お互いに商品の自慢を陳べあいます。
酢と薑の相性を認め合って同行します。

※恭しい火入れ式によるかがり火ととも一層幻想の世界へ誘われます。

半能:井筒(いづつ)
旅僧が伊勢物語の所縁の石上寺を訪ね、昔を懐かしんで旅寝をしていると
物語に登場する紀有常の娘の霊が、業平の装束を着て現れ昔を偲んで舞を舞います。
が、暁には姿は消え失せました。

仕舞:玉鬘/鵜之段
能:葵上(あおいのうえ)
葵の上の病の原因を探るため梓巫女の呪術に懸けます。
梓の音に惹かれて六条御息所の怨霊が現れ、恨みを述べて葵の上を打ち伏せますが、
叡山の聖僧の祈伏によって成仏します。

終了は午後8時半頃
多くの外国からの方を見かけました。
また、学生は手にした解説書を暗がりの中で必死に読み解き、
舞台に目を向けていたのが、とても印象的でした。

大阪薪能・・・大阪城でも開催されるようです。
興味をもたれた方は、お訪ね下さい
8/25大阪城西の丸庭園:午後6時開演
h.k