新春講演会

毎年恒例の池田泉州銀行によるこの会が梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで開催された。
2部構成で1部は講演会、2部は懇親会、会場は満席。
今回の演者は中西輝政氏、京都大学名誉教授。
いま、政治、経済の論客として活躍されている。
今回のテーマは「賢国への道」─もう愚かではいられない─
安倍政権になってから日本の経済、外交政策はどのように変化したか。
日本国の姿勢がこれまでにない積極的な行動を伴い、戦略性を発揮してきている状況が見られるようになった。
課題は山積しているが効果は徐々に表れてくるだろう。
原子力発電稼働の是非
靖国参拝の公約実行
・消費税引き上げの第2弾の対応
集団的自衛権の容認
・TPP参加に対する対策
・日本版NSC国家安全保障会議)の運営
・対中・韓外交戦略等々
今後、国内外の交渉・外交問題をどう対処するか。
これまでの欧米、中国などに偏らずアセアン諸国、アフリカ、インドなどを視野に入れての外交が一層重要になる。
インドは日本を最も必要としている国と認識している。
これらの事項について現状を絡めながら講演、納得のいく内容だった。
これら諸問題に対応するには、いま日本が最も欠如しているのが情報戦略─インテリジェンス機能だということ。
インテリジェンスについては世界で一番日本が遅れているようだ。
インテリジェンス─国際情報・経済情報─をいかに駆使して先取り、先読みするかが最重要で国の浮沈にかかわるということ。
演者が若い頃、1985年に渡米し研究機関で手伝いしたそのころに、すでに30年ほど前に、日中間で尖閣諸島の紛争が起きると予見していたことがレポートに記載されていたとのこと。いかにインテリジェンスが重要であるかが如実に示している。
防衛予算の10分の1がその費用に使われているのが世界の趨勢であるという。
「曲がり角の向こうを見る」見えないけれどそれを見ることができるような目を持つ、第六感のようなひらめきが必要である。
先を読む─インテリジェンス機能を持つ組織が強い、また人間学、国家学を学び磨くことが必然である、ということ。
こういう視点で我々は考え行動することが賢国へとつながる。
目先の事から見えない先を判断できる状況を意識することにより世界と対峙することが強い、そして安心でき、安定した国家になりうるのだ、という心強いお話でした。