酒蔵見学─太田酒造をたずねて

先月末の日曜日、午前10時30分に阪神芦屋駅に集合。
酒楽会の仲間とあいにくの雨模様の中、駅から歩いて15分ほどのところにある酒蔵を見学に出向いた。
この蔵元は本社が滋賀は草津にあり、昭和37年ごろこの地、灘に移ったとのことで、ここで認可を得るのに大層ご苦労があった由。
草津では日本酒のほかワインを醸造、また焼酎も造られている。
ワイナリーがご自慢だとか、そしてフルーツぶどうも栽培されている。
今回は灘 千代田蔵工場の仕込みの現場を案内いただいた。
と言ってもこの日は休業日だったがひと通り工場内を案内してもらったものの、やはり稼働しているところが見られなくて残念だった。
されど、新酒のきき酒をしていただきます、の声に一同一気に気分上昇、晴れやかになったのはいうまでもない。
醸造蔵へ入った途端、何とも言えぬ馥郁たる香りが立ち込め、左利きにはたまらない瞬間だ。
工場長がおもむろにタンク上部へ進み、蓋を開け中から柄杓で汲み上げる。
一人ひとりに猪口を手渡していただく。いい香りだ。
口に含むと待ってましたとばかりに口中が騒ぐ。すっきりした味、喉に絡むかと思っていたがなんとなめらかに通る。
もう少し熟成した方がまろやかさが出ると言われたが十分の出来具合で満足。
冷凍庫も案内してもらったが、−5℃の中で古酒が眠っている。
12年程前のお酒、それも大吟醸酒
どんな味がするのか興味が湧いたが、すかさず食事の折に賞味してもらいましょう、の声。なんと楽しみが一つ増えた。
待ちかねた昼食時に、6種類のお酒が並んでいる。ご自慢の“道灌”
食事の場所がまたすばらしい。貴賓館と呼ばれる建屋で趣のある落ち着いた和洋折衷の立派な佇まい。宿泊できる設備も整っている。
この場所からの庭の眺めがまた素敵だ。
今日の雨に一段と芝が映え、緑あふれる様が見事だった。
時候の良い折にこの庭で酒宴ができればいいな〜、と思っていたが、使ってもらっても結構との返事。
秋ごろには実行に移すことになるかも。
なんやかんやで大満足の体で蔵元を辞した。

灘の生一本 金紋 道灌
太田酒造株式会社
酒造場  神戸市東灘区深江南町二丁目1-7
     Tel 078-411-9456
本社   滋賀
http://www.ohta-shuzou.co.jp/