日本人は暗闇でウインクする

先日、銀行のセミナーに参加。
タイトルは“明日からできるPR”と題し、サブに魅力を売り出す戦略と発想。
講師はPR歴30年の女性で、PRプロデューサー殿村 美樹氏。
現在、同志社大学大学院MBAプログラム「地域ブランド戦略」教員。
これまで数々の地方や伝統文化、中小企業を活性化するなどその仕掛人として活躍され、2500件以上の実績を持っておられるとか。
国民的ブームは「今年の漢字」「佐世保バーガー」「さぬきうどん観光」「ひこにゃん」「うどん県」など。
これまでの相談事はいずれも予算が少額でマスコミを使っての告知ができない。
いかに少ない予算でメジャーに展開するかにかかっている。
PR戦略は引き算の世界、お金がかからない手法で発信し、効果を上げることが最重要ポイントなのでそれをいかに展開するかが勝負である。
そのためにはどうするか。
“人々が自ら動く「仕組み」をつくる(戦略的に周りの空気、気運)を変える”ことが成功につながる。
この手法で実践した成功例を提示しながらのお話でした。
そこには思い込みや常識を「ズラす」ことで視点がかわり、思わぬ効果が生まれ多くの成功に導くことができたそうです。
その中でおもしろい事例を簡単に紹介します。
ひこにゃん
彦根城への集客を滋賀県から依頼されたがお城はどこも変わりはない。そこに既存のキャラクターで一番かわいいひこにゃんを選択し、女性客をターゲットに切り替え、楽しさ、かわいらしさ、おもしろさを演出。
すべて口コミからマスに伝播しキャンペーンが功を奏した。
・うどん県
これも予算がなく、カリスマブロガーを使い、彼女たちがライブでうどんの魅力やおいしさ、町の風情等を流したので市のサイトが炎上。
そこでなにごとかとマスコミが取材に来たのが大きくブレイク。
市製作のお釈迦状態のCMが脚光を浴び、観光客が殺到した。
また岡山県産のとまとを使ったとまとゼリー、メーカーが全国奔走したが一ヶ500円では高すぎて少しも売れず絶望的な危機を乗り切った事例。
関西や名古屋など売りに回ったが高くて皆目ダメ。もうだめだとあきらめついでに東京の表参道で、ひとつ500円のトマトゼリーの試食販売をしたところOLがヘルシーランチにいいじゃない、と大ヒット。
都市によって価値観が変わる、この視点が成功をもたらした、等々。
我々が知っている、また聞いたことがある事例をたくさん紹介しての講義は大層面白く拝聴した次第。
わかってくれない、と思ったら確認することが重要。さもないと独りよがりの発信かもしれない。
まさに暗闇でウインクしているのでは?