気分転換に滋賀県高月へ─渡岸寺(どうがんじ)観音堂拝観

先日、久しぶりに気分転換を兼ねてひとり旅気分でぶらっと滋賀まで足を延ばした。当日は絶好の日和で春爛漫の陽気。
2時間余りの電車旅はちょっとうれしい気分で出かけたが、休日はさすがにひと人で構内はあふれ大阪駅ではしまったと思ったが遅かりしで、満員車両の新快速に乗車。
ほとんどの人が遊山の服装、新大阪で少し空いたが京都まで座れず。
さすがに京都、どっと人が降り車内は人気もまばらになってきたが、小旅行の気分はますます盛り上がる。
大津、草津を過ぎ守山あたりからぼちぼち田園が広がってくる。
お天気が良いので気分は最高。窓を開ければもっと爽快だろうと思うがそれもできず残念な思いで窓外を眺めていた。
そうこうしているうちに高月着。
駅の売店で道順を確認し、渡岸寺観音堂をめざす。
渡岸寺は昔の地名だそうで本名称は向源寺という。
目的地まで10分ぐらいの道のりながらほんとうに静かな町で、のどかさがうれしく感じられる。
まわりにはきれいな疎水が流れ、余呉湖に注ぐという。
このお寺は昔、知人に連れて行ってもらった京都の料理屋さんの女将さんが絶賛の十一面観音菩薩が安置されていて、仏像のすばらしさを彼女の作品集に説明されており是非それを見たいと思った。
境内は2〜3人の参拝客がいるだけで静寂につつまれ、厳かな感がする。
案内窓口で拝観料500円を払い本堂へ。
実際に見て女将が感じていた通りみごとな仏像だと実感した次第。
拝観者は私ともう一人だけだったのでゆっくりと説明を聞き、鑑賞できた。
穏やかな表情、一歩踏み出そうとしている体の動きをやわらかな曲線で表現、それにともない天衣がゆれているかのように感じさせる。
頭上に十一面の小面もち十一体の観音の働きを一身に具現したものと言われている。
その十一面は前三面が菩薩の慈悲相、左三面が忿怒層、右三面狗牙上出相、後一面暴悪大笑相、頂上にある一仏面の如来相という。像高さは一・九五米。
頂上仏面が菩薩相で五体の化仏があり、密教像でインド的な感じを伝えているそうだ。
堂内でしばし仏像と対峙。少しの時間ながら豊かな気分に浸っていた。
山を眺め、ゆたかな水に触れ、そしてひろびろした田畑に沿い、たっぷりと自然にひたり至福の時間を過ごせた。ラッキーの一日でした。