「信貴山縁起絵巻」特別展

朝から最高のお天気。奈良国立博物館で開催されているこの展覧会はちょっと話題になっていたので一度見てみたいと思い向かった。


JR大和路線で奈良へ。そこから循環バスで博物館へ向かったが、日曜日とあって人も車も大渋滞。すぐ近くながらなかなか進まない。
近鉄奈良駅で降りればよかったが人ごみにしり込みし目的のバス停まで乗車したがちょっと時間を要した。
奈良公園を見ると家族連れや若いグループ、海外旅行者が鹿の餌やりがめずらしいのか、またベストアングルを求めて走り回っている。

今回の国宝であるこの絵巻特別展は日本三大絵巻の一つに数えられる平安絵画の秀作として知られているが実際に現物を見るのは初めてで期待していた。
信貴山毘沙門天王の聖地として聖徳太子ゆかりのお寺,朝護孫子寺の中興開山・命蓮上人にまつわる奇跡譚を全3巻で描かれている平安絵巻。
博物館入り口にはあまり人がいなかったのでラッキーと思い入館したが、あにはからんや館内は鑑賞者の行列ができていた。

最後尾になると順番が来るまで30分以上かかるとのこと。
それは最前列で鑑賞しようとする人たちの行列で、その後ろから見るならすぐにも入れるというので、ためらわず入館。
入ってみるとなるほど順番待ちの長い列ができており、鑑賞中のみなさんは食い入るように眺めている。
館員さんが「順次進んでください」と声をかけ進行を促しているがこの調子だと先ず30分では到底無理。
間近に見ることはできないが部分々を壁面に拡大表示してあるのでそれなりに鑑賞できるので正解だった。
絵中の人、物の表現が絶妙の筆致で描かれており現在の漫画以上の技術ではないかと思わせるほどで平安時代版アニメーション風の感がし、それに色彩も実にカラフル、金や銀、群青など高価な顔料を使って作成されているとの解説、この時代にこんな技術が使われていたのに感嘆した。
この検証を科学的に行った分析データも表示されている。
館内には絵巻のビュアーコーナーや映像コーナーも設けられており、スクリーンあるいはパソコン画面でじっくり自由に鑑賞できるよう配慮されている。
展示は縁起絵巻3部作、山崎長者巻、延喜加持巻、尼君巻で構成、そして地下回廊でつながっている“なら仏像館”では飛鳥、鎌倉時代を中心に国宝、重要文化財を含む仏像100体以上が展示されている。
展示の雰囲気を掲出したいが撮影禁止なので残念な思い。
それにしても立派な博物館だ。
一通り見るだけで3時間近くかかった。
退館の後久しぶりの奈良公園内の賑わいを楽しみながら、近鉄奈良駅まで漫歩。
汗ばむ陽気に心地よい疲労を感じた休日でした。