六甲山の上美術館─さわるみゅーじあむ

久しくお付き合いいただいている切り絵作家の久保修さん(www.shu-kubo.com/)より個展の案内を頂いた。今や切り絵画家の第一人者として国内は優に及ばず海外でも大人気で大活躍されている。
今回は兵庫県の六甲山上にある小さな美術館での開催。
梅田から阪急六甲駅へ、神戸市バスで六甲ケーブル下駅へ向かい約10分の道中で山上駅着、そこから六甲山上バスが出ておりロープウエー山頂駅行きに乗車、途中の六甲カンツリーハウス停留所で下車。
美術館というぐらいだからすぐにわかるだろうと思ったが、ところがあたりを見ても案内標識もなく道順がわからない。
ちょっと戸惑ったが分岐の道があったので、とにかく向かってみようと歩き出した。5〜6分歩いたがまだ標識がない。ちょっと焦った。
道を間違えたかもしれないので引き返そうかと思ってまわりを見たら、道の少し先の斜面に看板があった。近くへ寄ってみたら“六甲山の上美術館”と書いてある。矢印もあるのでその方向に向かったがだんだん道が細くなり舗装もガタガタと剥がれていておかしいと思った矢先、目の前の建物の塀に美術館の看板が掲げてあった。
ようやく入口をみつけ館内へ。
このミュージアムはご夫婦で運営、元大手企業の保養所だったのを購入し美術館として活用しだしたとのこと。
この六甲山の上美術館(http://handsonme.cloud-line.com/)で“久保修さわってみる切り絵展”が催されている。
久保修さんの切り絵はいつもながら繊細しかも色使いがあざやかでむつかしそうなモチーフもきりっとした出来上がりが実に美しい。
ワークショップスタイルの展示場では実際に触れて感じることができる体感コーナーが設置されている。
展示された切り絵は今注目の3Dでなく2.5Dで表現し、展示台の作品に触れることができその立体感が味わえる仕組み。
確かに高低や形状がよく分かり展示作品と対比しながらその感触を体感することができる。全盲の方が来られ、立体化された切り絵に触れ作品の素晴らしさを実感し感動されたようだ。
館内には彫刻家吉田英智氏の作品が常設展示されている。
素材が金属のためどっしりとし、それと対照的にたくさんの人物が精巧に組み合わされその対比が不思議な造形をなしている。
ここは六甲国立公園内にあるとはいえ観光地の案内には登録されていないのでとにかくわかりづらい。
建物はなかなか立派なつくりなのに認知度が低くもったいない気がする。
宿泊施設もあり、六甲山系を見渡せるベランダがすばらしい。
ここで食事も出来、バーベキューも楽しめまた夜景を見ながらの食事がすばらしいとのこと。
当日は先客に二組の来館者があったが、案内標識がもう少しわかりやすければ賑わうのにと、少々もったいない気がした。