春の花展に足を運ぶ−家元継承二十周年記念 未生正流花展―

季節もぼちぼち花やいできましたが、庶民の生活は少々肌寒い感がします。
でもちょっと目を向けると、いよいよ春の装いに触れることができます。
去る3月6日(土)久しぶりに奈良は生駒の「市芸術会館 美楽来」へ、この催しを見るベく向かいました。

生駒の会場は街中に比べやや肌寒さを感じたものの、樹々はしっかり“春”を待ちわびている気配です。
この花展は未生正流の家元継承二十周年記念として催されたのですが、実は私も10数年前に
このお流儀を習っていたので、久しぶりに師匠とお会いすることも目的のひとつでした。
永いこと花に触れ、活け込みをしていないので、勉強がてらに拝見させて頂きました。



お流儀、盛り花が見事に活けられ圧倒させられましたが、いづれも季節の花材を余すところなく揃えられ、
素晴らしい造形美を演出されていました。

自分もひょっとしてできるかなと思ったものの、この気持ちはすぐに萎えてしまい、ひたすら観賞に精を出した次第。

また同会場に子供たちの活花教室の紹介がされており、私の師匠が主催されているとのことで、
そこに小学生の創作活け花が展示されていて、なかなかの秀作ぞろいに感動。

小学生達の活け花は実に大胆で、力強くのびのびと気持ちの素直さを感じさせてくれます。
今から子供達が日本文化のひとつに興味をもって学ぶことになれば、本当に素晴らしいことだと思った次第です。
この会がもっともっと広がり、感性豊かな若者がどんどん輩出することができますことを期待しています。

また先生は活花を通し、ニュージーランドとの文化交流にエネルギーを注がれています。先生の益々のご活躍をお祈りいたします。

この時期、この会場に来て美しい花材に触れ、その器に飾られた花の姿・形から皆さんの心持ちがしっかり感じとられ、
さわやかな気持ちにさせて頂き会場を後にしました。
この未生正流の会が益々の隆盛を得られますことを願っております。

(T.Ono)