女王に恋して・・・

こんにちは。
JR京都伊勢丹7階にある美術館「えき」KYOTOで、開催中の『山村美紗の世界』展に行ってきました。
 展示会のポスター
その日は、午後から山村美紗の長女で女優の山村紅葉、現在もベストセラーを生み続ける人気作家の西村京太郎の両氏のサイン会も同時開催されていることもあり、会場内には若いファンから年配まで集まり、大変な盛況ぶりです。
私も急いで、入場券を買い求めて、その熱気に加わります。
ここで、蛇足ながら小説家・山村美紗を簡単に紹介しておくと・・・、
今年、没後15年になる山村美紗は、京都を舞台にした多くの推理小説を発表し、2時間ドラマをお茶の間に根付かせ、今もなお高視聴率を保ち続ける人気推理小説家です。
トリックの斬新さから、「ミステリーの女王」という異名を持ちます。皆さんも1度は、「京都○○殺人事件」というタイトルをテレビや書店で目にしたことがあるかもしれません。その著者が、山村美紗なのです。(たぶん)
さて、展示会では、直筆原稿・ドラマの台本・取材ノート・愛用のドレスなどが展示されています。
ファンとして、一番興味があるのは、やはり直筆原稿です。山村美紗が執筆していた当時は、今ほどパソコンが流行していなかったので、彼女専用の原稿用紙に丁寧に字を埋めています。
原稿をFAXで送信していたのでしょう。原稿用紙の欄外に送信先の編集者に対する気遣いが書かれており、女性らしい優しさに胸を打たれます。
私は、大学浪人時代を京都の予備校で過ごし、その時に初めて「彼女」を知りました。
彼女の小説は、京都の有名な寺院仏閣や観光地、祭が多く登場します。
日本史の勉強だ、古典の世界を実際に感じるのだ、と言い訳をしながら、山村美紗が小説の中で取り上げた場所に授業をサボって友達と出掛けたことが何度かあります。
境内の砂利の様子など、細かい描写までもが書かれた文章と全く同じなので驚いた記憶があります。
このように、綿密な取材に基づいて書かれていることも、今も人気がある理由のひとつかもしれません。
陽春の候、京都伊勢丹で過ごした僅かな時間は、私にとって懐かしい記憶を呼び覚ます有意義な時間となりました。
(Si)