もったいない」─ 世界が唱和した「MOTTAINAI」

表題のことばは竹田 恒泰氏(旧皇族・竹田家に生まれ明治天皇の玄孫にあたる)の著書「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」(PHP新書)の中でおもしろく紹介されている。
「もったいない」と言うこの言葉、わが国では周知のはずだが、外国語にはこれに該当することばがないそうで、このことばが海外から紹介され世界語の仲間入りを果たしたそうである。
我が国から発信していないとはいえまことに誇らしいかぎりですね。
わが国は今やエコ、省エネ等の環境や物を大切にしようというようにかしましい状況ですが、すでに古代から認識していたわけで、なんとすごい民族なんでしょう、と思ってしまう。
ノーベル平和賞受賞者でケニア環境副大臣マータイさんの演説で「もったいない」が環境保全の合言葉として紹介され世界的に知られることとなり、会議で「MOTTAINAIと書かれたTシャツを手に唱和したという。
この「もったいない」は消費削減(リデュース)、再使用(リユース)、資源再利用(リサイクル)、修理(リペア)の四つの「R」を表しているとのこと。
海外ではこれと同義のことばが無いようでこれこそ環境保全の観点からもっともふさわしい言葉として紹介された由。
[勿体無い]大辞林より
1.(有用な人間や物事が)粗末に扱われて惜しい、有効に生かされず残念だ
2.(神聖なものが)おかされて恐れ多い、忌むべきだ
3.(目上の人の好意が)分に過ぎて恐縮だ、かたじけない
4.(あるべき状態からはずれて)不都合だ、不届きだ
とある。
用例は、まだ使えるのに捨てるのはもったいない、有能な人物なのに放っておくのはもったいない、時間がもったいない、神を汚すとはもったいない、御心遣いがもったいなく存じます、等々価値あるものが軽んじて扱われたり、能力が発揮されないことやあるべき状態がそうでない場合を嘆き悲しむこころを表す、いうように実にふさわしいことば。
わが国ではごくふつうに使われ自然や物に対する敬意、そして自然と共生への思い、大自然の恵みによって生かされていると考えてきたことが自ずと感謝の念を生んだものなんでしょう。
古代から自然と一体化し、その大切さ、敬虔な気持ちをずっともち続け、教えられてきたがはたして同様の心が現代に残されているんでしょうかね。
これらのことを忘れてはそれこそもったいない。