行儀のよい小学生

たった一駅間の出来事ながら、ひさしぶりにさわやかな気分を味わった。
先日、JR神戸線立花駅から小学生のグループ20〜30名ほどが引率の先生ともども乗り込んできた。
驚いたのはみんな大層静かで,私語も聞こえない。
みな一様に口をつぐみ整然として先生の周りに集まり、席が空いているのに誰も座らず全員立ったままで、幾人かのグループが笑顔で小声での会話、何か不思議なものを見ているような錯覚に陥る。
電車が動き出す際の揺れに、ふつうならキャー、キャーと騒ぐ光景をよく見かけるが、この時ばかりわたしのみならず乗車しているまわりの大人たちもびっくりしていたのではないか。
実に良くしつけされているな、感心していた。
生徒たちは先生の動きに注視し、信頼しているように見受けられる。
先生の指導、教育が行き届いていることは十分に感じられた。
一言先生が静かな口調で後ろの生徒に“次降りるから”と伝えるようにというと小声で順次声を掛け合っていく。
尼崎駅に近づき車両が大きく揺れ、手すりにつかまっていない生徒がよろけて座席のお年寄りにもたれかけ倒れそうになり、危ないと思ったが、その子がすかさず“すみません”と即座にあやまったのには驚いた。
あたりまえのことと思いつつそれが予想外だったので、びっくりしたとともに少々感動させられた。
停車すると粛々と二列になって行儀よく降りていった。
見ているとホームで整列し、点呼。全員の確認後改札へ向かっていった。
これまで引率場面になんどか遭遇したが、今回のような規律あるのを見たのははじめてで素晴らしい教育をされているなと、と感じた。
先生はというと、まだ若い様子で風采も先生、先生していないごく普通のカジュアルスタイルで、ちょっぴり野生味がある。
けっして威圧的でなくごく普通の穏やかな感じの人柄に見えた。
きっと生徒から厚い信頼を得、慕われているように思えた。
まだまだ、頼もしい先生がいることに、この国も捨てたもんじゃないな、とひとり納得。