朔旦冬至(さくたんとうじ)搾り

昨年の暮れに土佐の蔵元から表記のお酒の案内が届いた。
珍しい名前に惹かれ、またいかにも味わい深い感がしたので購入。
この意味は冬至に搾ったお酒でおめでたいものだという。
それで届いたお酒の説明を読むと以下のことが書かれていた。
冬至は12月21日ごろ、太陽の位置が一年で最も低くなり昼の時間が最も短くなる日です。一年で最も日が短いということは、翌日から日が長くなっていくことを意味します。そこで冬至を太陽が生まれ変わる日ととらえ、古くから世界各地で冬至の祝祭が盛大に行われてきました。
そして中国や日本では、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び太陽の力が蘇ってくることから、陰が極まり再び陽に還る日という意味で「一陽来復」と表現されます。
冬至を境に運が向いてくる、つまりすべての人が上昇運に転じる日が冬至なのです。暦では月の満ち欠けの中で冬至に相当するのは新月です。新月は、この日を境に月が満ちていくことから、月が生まれ変わって復活する日であると言えます。そして旧暦では、原則として新月の日がその月の1日ですから、旧暦の11月1日は新月となりますが、この旧暦11月1日の新月の日と冬至が重なる日を「朔旦冬至」と呼ぶのです。「朔」は1日、新月の意、「旦」は夜明け、太陽が昇ってくるという意味があります。冬至から冬至までの太陽のサイクル365.24日、新月から新月までの月のサイクルは29.53日、両者が重なることは大変希であり、19年に一度しかないという訳なのです。
太陽が復活するおめでたい日と、月が復活するおめでたい日が重なる「朔旦冬至」は19年に一度の大吉日であり、古来には宮中などで盛大な祝賀の宴が催されたりもしたそうです」
というように大変希少でいかに縁起が良い酒であるか、と説明書きされていました。
お酒好きにとっては、ありがたい謂れで、気分よく楽しみながらいただける最上のお酒かもしれません。
早速元旦に一献、飲むほどに酔うほどに心地よさが広がる逸品でした。