「国土が日本人の謎を解く」

日本人起源説や日本人論など多くの書物が氾濫しているが、それも歴史家や歴史作家のそれでなく元国土庁役人が地理的、自然災害の視点から考察し、我々は何を経験し、何を経験しなかったかを問いながら日本人を分析している。
実にユニークで感動もの。
こんな視点からまとめられたものは初めてだけになるほど、へえ〜の連続。
日本人の生活様式、思考方法、ものの見方、生きざま等が明快に語られている。
一部タイトルを紹介
・「流れていく歴史」を持つ日本人
・何を経験し何を経験しなかったか
・なぜ日本人は世界の残酷さを理解できないのか
・なぜ日本人は権力を嫌うのか
・なぜ日本人は中国人とここまで違うのか
・なぜ日本人には長期戦略がないと言われるのか
・なぜ日本人はグローバル化の中で彷徨っているか等
本文は見事にウンウンと言わせてくれる。
本来の日本人の姿は「共」であり「和」である。
こういう視点からの教育はきっと国民に自信と活力をもたらせてくれるのではないか。

出版社  産経新聞出版
著 者  大石 久和
     元建設省道路局長、国土交通省技監等歴任
     2013年より(財)国土技術研究センター国土政策研究所長
     京都大学大学院経営管理研究部特命教授
     公益社団法人日本道路協会会長兼務
価 格  1300円+税